1. HOME
  2. ブログ
  3. メッセージ
  4. 年頭所感 2023

BLOG

ブログ

メッセージ

年頭所感 2023

昔から言い伝えられている「寅年は荒れる」の言葉通り、2022年は「政治」「経済」「国際情勢」「天候異変」と世界中で正に大荒れの1年でした。

2020年から始まったコロナは、ワクチン接種による感染者数の減少と感染爆発の山と谷とを3年経過した現在も未だ繰り返していますし、ロシアのウクライナ侵攻による食料、エネルギー価格の高騰に伴う悪いインフレが世界を席巻しています。

これから先の世の中がどのように変化して行くのか全く予想できない混沌とした世界情勢の中で、気鬱を抱えながら生きて行かなければなりません。

進化論で有名なダーウィンの名言に「有史以来、最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない、唯一生き残れるのは変化し、その変化に順応できる者である」という言葉がありますが、我々の生きるこの時代はダーウィンの時代とは比較にならないスピードと規模で変化を続けています。

今まで我々が生活してきた物質的、精神的な価値観とは違う世界への大転換は、コロナ蔓延の2020~2022年が分水嶺であったと歴史の中で記される程の大変革ではないでしょうか。

我々の業界においても同様で、コロナ以前は養殖業者が増産へと向かった結果、供給過多による価格下落という悪いパターンの中でコストと戦わなければなりませんでした。減産するという選択肢を取らず、如何にして高く販売するかに集中しているように思えました。

そこに世界規模のコロナ蔓延という「人智を超えた力」が働き、養殖業者はマーケットの縮小が予見できる状況に対処するため、コスト抑制の名目で現地従業員の調整、即ち「減産」に舵を切り、この難局の波を乗り切る方向を選びました。

時を同じくして、アコヤ稚貝の大量斃死による真珠生産量の減少が継続中です。これは、真珠生産地域において温暖化による海水温の上昇、線状降水帯による集中豪雨被害が多発したことも原因のひとつとされています。

南洋真珠とアコヤ真珠の浜揚げ量の減少が同時に起きていた2020年以降、コロナ感染を恐れ、人との接触を避ける方法が重要になってきたため、「出社から在宅」へ、「人が動かず物が動く宅配」へ、「対面販売からネット販売」へと進化または変化してきました。

流石に2020年は人、物、金の全てが停滞して動きが鈍く感じられましたが、当時いち早くゼロコロナ政策でコロナを抑え込んだと思われていた中国でのネット物品販売が2020年後半に拡大し始め、購買意欲の急激な回復「バウンスバック」に伴い、先述の減少傾向にあった真珠も右肩上がりの好調を維持しています。

そこで発生したのが「物不足」と言われる現象です。どんな生産物も「ちょっと足りない」がベストと言われ、価格上昇の原動力なのですが、減産している「物」に対して「販売」が好調となるといわゆる「需要と供給のバランス」が崩れてしまい、コロナ前とは全く逆の状況になる、これが「人智を超えた力」によってもたらされています。

しかし、この状態が永遠に続くことはあり得ないので、上がった物は必ず下がる時代が来ます。数十年前に起きた「バブル」も、その崩壊も見ている世代としては「最盛期に最悪を想定した準備をしておくこと」が如何に重要かを理解していただきたいと思います。

「何があっても対処できるように国も会社も個人も日頃から準備しておく」。これはなかなか難しいことですが、現在の混沌とした世界情勢の中で「変化に順応し生き抜いた者は、変化後の世界において順応性が増す」ことを期待して、2023年という新たな年の変化に対応するためにも個々のスキルを上げ、ピンチをチャンスに変える力を持って頑張りましょう。

2023年吉日

カラミアンパール株式会社
代表取締役 山本 幸生

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事