年頭所感 2025
4年に一度開催されるオリンピックイヤーは荒れると言われる通り、羽田空港での日航機と海保機の衝突炎上事故や各地で天災が続き、波乱続きの一年となりました。各地の天災により被災された方々、今も尚避難が続いてる方々に心よりお悔やみとお見舞い申し上げます。
その後、日本の名目GDPは4位に転落したにも関わらず、34年振りに日経平均株価が1989年12月以来の最高値を更新、アメリカとの金利差から1ドル160円迄円安が進むといった今まで経験したことの無い経済状況が継続しております。
世界情勢も同じく、アジアでは不動産価格の下落に依り経済状況が悪化。中国は物価下落のデフレに陥り、賃金上昇に依る外国企業撤退の影響で失業者も多く、成長率も芳しくありません。
そんな世の中で経済成長を順調に進めているのは、米国と中国からの投資が堅調だったASEANです。「中国とASEANの自由貿易協定ACFTA」の下、特恵関税と華僑との関係強化により益々成長しています。
我々真珠業界に於いても同様で、昨年迄は香港から中国に大部分の宝飾品が輸出されていましたが、税法解釈の相違も含め香港から中国に向けての輸出が制限された為、多くの業者が輸出方法を見直す事となり打撃を受ける結果となりました。
2023年は御祝儀相場の様な真珠の取引価格でしたが、2020年から現在迄続くコロナの影響で、各生産業者の平均品質下落と中国市場の不振により、2024年の春以降は通常の価格に落ち着きつつあります。
従って、バイヤーは常に他社には無い特別な商品を探しており、「特大か極小か」「希少価値の有る色」「ケシやバロックの様な唯一無二の形」など養殖が難しい真珠への要求が多くなっています。
カラミアンパールは10数年前より他社に於いてはコストをカバー出来ないであろう、小サイズと極小サイズの金色の真珠の生産に取り組み、生産現場での紆余曲折を経てコマーシャルベース迄到達する事が出来ました。
時代と共に変化するニーズに、極小サイズからノーマルサイズまでの幅広いサイズ展開と高品質のゴールドの生産で柔軟に対応し続けていける会社を目指さなければいけません。
「真珠は海と貝が有れば出来る」と誰もが考えがちですが、決してそうではありません。
「真珠は組織が造る」のです。
フィリピンに於いての良質なマンパワーと真珠養殖に必要な高度な技術、それらを最も有効活用できる組織が高品質な真珠を造りだすことが出来ると考えます。
前述の先の見えない世界情勢の中で、上質なゴールドパールの生産体制を維持出来るかに今後のカラミアンパールの命運が掛かっています。
「風通しの良い社内」「社員全員が同じ目標に向かう方向性」「養殖現場と営業の情報共有」を徹底していき、素晴らしい組織の堅持にはカラミアン社員個々が「何をしなくてはいけないのか?」「何をしてはいけないか?」
それぞれが考えて、2025年の会社躍進のエネルギーに出来る様期待しています。
2025年吉日
カラミアンパール株式会社
代表取締役 山本 幸生
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