年頭所感 2024
2020年から始まった新種感染症が世界中に拡散して既に5年目に入りましたが、変異を繰り返しワクチン接種後も免疫をすり抜ける新種となってインフルエンザと共に未だ感染拡大中で沈静化する気配が見えません。
この新種感染症の感染拡大に伴い、世界中でなるべく人と人とが接触しない方向性が模索され、Web会議、在宅勤務が新常識となり今迄とは違う無人スーパー、コンビニで携帯による買い物などが徐々に当たり前の世の中へと進化して来ています。
我々の真珠業界でも2020年以降、常にバイヤーで入札会場が一杯になり人、モノが至近距離で接触していた従来の直接検品入札方式からOn Lineに依る画面上検品へと大きく変化して来ました。
当初は1ロットが数百万円から1千万円を超える真珠を肉眼での直接検品をせず画面上だけで入札が成立するのか懐疑的でしたが、人が動けないのなら商品を動かし直接検品を希望する日本のバイヤーは日本で、海外のバイヤーは香港でなるべくバイヤー同士が接触しない人数制限、時間制限を設けてOn Line検品と並行して行える入札へと移行し、現在コロナ以前の水準を遥かに上回る入札結果となっています。
地球温暖化に依る環境変化に伴い、日本国産のアコヤ貝の大量斃死発生による生産量の減少、又南洋真珠生産に於いては、新種感染症に依る海外からの技術者入国制限、現地労働者の勤労制限等に由来する生産量の減少、和珠(アコヤ真珠)と南洋珠共に2022年からのマーケット回復時の大幅な需要増加に対して供給が少ないという需給バランスの逆転現象が起こり、この価格高騰が引き起こされたと言っても過言ではないと思います。
歴史を観ても「上がった物は必ず下がり、下がった物は必ず上がる」を繰り返していますが、弊社は価格の上下に一喜一憂せず量を追わず質を追求し「唯一無二のゴールド」を目指し、創業以来守って来た「面倒くさい事を積み重ねて行く」というポリシーを続けなければなりません。
高品質の真珠は海と貝だけが有れば出来るものでは有りません。
「豊穣な海」「母なる母貝」+「コミュニケーション能力の高い風通しの良い組織」が必要となり、昭和、平成、令和とそれぞれ違った時代を生き、考え方にも相違が有るベテラン、中堅、新人が方向性と思考を一つにして初めて品質維持の継続が成されます。
現在、世界中で戦争、紛争が起こり人、物、金の流れが今後どのように推移して行くのか全く解らない状況の中で我々は生産、販売活動を継続中ですが「不測の事態、想定外の状況」が発生しても対処できる堅固な組織を形成する努力が重要かと思います。
年々、平成生まれが徐々に多数を占める社員構成になりますが、昭和生まれのベテランとの「温故知新」で混沌とした時代を生き抜ける打たれ強い企業に共に成長して行きましょう。
2024年吉日
カラミアンパール株式会社
代表取締役 山本 幸生
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