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真珠取り出しに挑戦

写真:(実技中に急ぎ撮影したこともあり)見栄えのしない写真ですが、ご容赦ください


日本国内の真珠の生産地では、一般の方に向けた「真珠取り出し体験」がよく催されているようです。でも実は、都内でもこうした企画を見かけることがあります。「南洋真珠ではないのは残念だけど、一度トライしてみよう!」と意気込んで体験会に参加したブログ担当。さて、どんなことになったのやら。その体験レポートです。

圧倒的多数の女性参加者

会場には16人、この内15人が女性。やはり、真珠への関心は女性が中心のようです。20歳代とお見受けする唯一の男性参加者は、彼女と共に参加。「連れて来られたから仕方なく」という感じではなく、かなり積極的な取り組み姿勢。男性が関心を持ってくださるのは、業界関係者として嬉しくなりました。女性の年齢層はかなり幅広く、20~60歳代くらいと思われます。

まずはビデオレクチャーでスタート

講師は真珠を商品化する上で必要な金具業者の方、男女1名ずつ。男性が真珠の説明や質問を受け付けるメイン担当、女性はサブとして参加者のフォローを担当、という役割分担のようです。
「愛媛県宇和島のアコヤ貝を使います。皆さんは、真珠と言えば三重県がすぐ思い浮かぶかもしれませんが、今は宇和島が国内のメイン産地です。」の説明に参加者は「へえ~」という反応。やはり産地は三重県(志摩)というイメージが今も一般の人には根強い様子。
ビデオで養殖の風景や浜揚げの様子を見た後に「真珠は必ずしもマル(ラウンド)ではなく、様々な形がある。色も白やピンクとは限らない。」「貝を開いてみるまで、どんな真珠なのかは、わからない。だから一点一点異なり、それが真珠の個性」「金やダイヤモンドなどに比べ、価格の統一基準が定めづらい。よって、最近さかんな宝飾品の買い取りとして真珠はあまり取り扱われない。」などと説明を受けました。このあたりは、自分が知っていることを復習しているような感じです。

参加者の発言に思うこと

「アコヤ真珠に黒い真珠はないのですか?」とシニアの方から質問が出ました。話しぶりから、ご自身で真珠をお持ちで、かなり真珠への関心の高い人のようです。「アコヤ真珠は黒い真珠を産出しません。貝の種類によって、真珠の色は違うのですよ。黒い真珠は黒蝶貝、金色の真珠は白蝶貝から採れるのです。」の説明に多くの参加者が「えっ‼そうなの⁉」の声をあげました。
「真珠は全てアコヤから採れる」と考えておられたことに私は一瞬驚いたものの「そうか・・エンドユーザーにはこうした点の認識はまだ低いのだな」と、普段接する機会の少ない最終消費者の声が新鮮に響きます。

しかし、さらにビックリしたのは「真珠は持っているけど、業者の言うままに買わされた」という感覚を持っている方がかなりいらしたことです。自分が好きな色や形があっても業者の言葉に左右されて、好みと違うものを買うことに・・というパターンに陥った方も。エンドユーザーにこうした印象を持たれていることは、販売側にとって反省材料の1つのように思えます。

講師から「自分が納得して買う姿勢が大事です。また、価格が高いからいい、というわけではありません。真珠そのものより、金具や加工代が高いこともあります。また、真珠=フォーマルと考えすぎず、もっと気軽に普段使いできるものをお持ちになるといいですよ。」との発言もあり、参加者は一様に首を縦にふっています。その反応を見ながら以前、弊社のブログ記事「おしゃれにGolden Pearl(その1)」で、社員Kが普段使いについて話したことを思い浮かべました。

悪戦苦闘 真珠の取り出し

さあ、実際に真珠の取り出し体験です。銀の紙皿にアコヤ貝が置かれました。講師から「真珠のこの辺りにメスを入れてください」の言葉(写真:貝の右上、尖っている部分の下あたり)。
「よし、プラスチックのメスで、貝をサクッと開けるぞ」と意気込みます。「・・・ん?開かない、なんで?エイ、エイっ(全て心の声です)」。回りでは「開きました!あれ?貝の中身、茶色っぽい?」などの声が。講師が「冷凍して持ってきているので、貝は既に死んでいます。それで中が変色し始めています。」「なるほど」。
こんなやり取りが響く中、いまだ開けることすらできない私。「業界の人間として、これはまずい!」と思えども、結局「すみませ~ん。開かないです。」と講師にヘルプをお願いする始末。「もっと中までメスを入れてみるといいですよ」の助言を受け、ようやくオープン。産地で作業を行う方に思い切り笑われそうなダメっぷりです(泣)。

ペンダントかストラップを選択、出来上がり

参加者が取り出した真珠は青みがかったものが多かったのですが、中にはうすい黄色みを帯びたものや白系のものもありました。アコヤなので、大きさは6~7ミリ弱くらい。ペンダントかストラップにできる部材が用意され、私はストラップにしてみました。講師によると毎回、体験会に参加して自分で取り出した真珠を集めてアクセサリを製作する方もいるとか。

取り出し体験雑感

見るのとやるのとでは大違い、という言葉を痛感させられました。こうした作業を何百、何千と手際よく、貝のダメージを最小限に行う方々がいるからこそ、真珠を手にすることができることを改めてありがたく思います。
体験会が終わり、私が退出する時点でも参加者が何人か残り、講師に質問をしている姿がありました。購入側も知識を仕入れて、今後に役立てようとしている様子に業界側も「ニーズに沿った良質の真珠を提供する」姿勢が問われていると感じました。

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